「出来る理由」を探してみよう

いや、はしくれの様なダメ人間が書くようなことではありませんが、よく聞く話で、また萎える話が「うちでは無理」です。
何が無理やねん!と思ってしまうアホは、コチラなのですが。

実際、無理と言う単語が簡単に使われすぎるのです。逆に、無理と言っている理由が「無知」から来ているような気がします。
例えば
「うち、英語できる人がいないからマニュアルの翻訳なんて無理!」⇒翻訳自体は外注発注しましょう。そのレビューはできませんか?
「うち、金融機関なんてやったことないから無理!」⇒どの業界なら出来るんですか?寧ろ業種に特化しない「作り」に特化してみませんか?
ようは、スキームの作り方で適材になれる部分があるはずなんですが、まるで自社が全てを作るようにして「無理」と言うんですよね。
逆に…スキームを作れないのでしょうか?

ダメ人間の視点で言うと「御社の営業さん。経費で呑んでいる意味あるのですか?」と言いたくなる会社さんが沢山あります。まぁ、正直、その恩恵に浴したことが無いわけではないのですが(笑)。酒の場の話としても「社内消費」「社内接待」が多すぎるように思う会社もあります。その予算があれば、少しでも昔のお客さんや取引先を探すことも出来そうなのですが…ねぇ。

昔、ある種の禁じてですが…。外資のベンダーにいた時に、どうしてもお客様の要求に沿うような構成を作れないことがありました。当時のベンダーは、そこそこ幅広な製品を揃えていて、そこそこソリューションを構成することができたのです。が、そんな中で「コア」になるモノを「コードに逃げる」ような事はしたくなかったのですね。別な言い方をするとコアにぴったりと収まるコアな製品が幾つかあったのです。そこで、その幾つかにアタックをして協同ソリューションが可能かどうかを聞いてみました。この時点では商流なんてことより「うちの提案に組み込んでもOKですか?」と言う事と、こちらで想定している機能やキーポイントが提供されているかの確認が主です。
おおよそ、この時点で大抵の会社は「いやぁ…厳しいなぁ…」と断られます。が、とあるA社は「あ、面白いかも」と乗ってくれまして(笑)。一応、上手くお客様に認めて頂けました。スキームとしては一応、私のいた会社がプライムになって動くけど、契約とかは本社マターまで上がってしまうので、あくまで個々に契約をしてもらうという事にして、また別途PMOが立ち上がっていたので、こちらとA社の導入チームが別途動く形にしておりました。まぁ、今でしたらPMOなり、あるいは別途SI会社をPMとしてプライムにしてしまう事もありだったのかも知れませんが(笑)。
ある意味、そういった「自由度」「柔軟性」が前提にはなりますが、スキームを作り出すことは根性だけの問題です。

逆に悪手です…。
これも外資ベンダーの頃にSIパートナーのX社が見つけてきた案件でのヘルプを依頼された同僚がいました。内容としてはX社が不得意(知見なし)な業種でのソリューション提案の作成ですね。ただ不幸な事に、それを引き受けた同僚は「何でも聞いてください」と堂々といえる…なんつーか…余り経験のない…いや、活きていないタイプの方でして…、途中で殆どGive Upの状態になりました。そこで彼が打った手が、別のSIパートナーY社(大手)にヘルプを請うという…私には思いつかない手でした(笑)。案件はXの案件です。これに別のSI会社がつくということは…。下手をすれば案件のハイジャックが起きるわけです。Yにしても、Xのアンダーで動くことは、まず有り得ません。簡単に言えば、Xが提示するSE単価ではY社のSEさんの給与は賄えなさそうなレベルなのです(だから、私には思いつかなかったのです)。この状況を知ってか知らずか、同僚氏はY社とのコンタクトを営業に依頼しています。そこでもぉやむを得ず「それさ、会社としての信頼問題に関わるし、NDAへの違反になるよ」と言う旨をやさしく伝えて止めました。スキームを作るのは簡単なのです。が、その下敷きになるアイデアを幾つかの側面から考えておかないと、とんでもない事に成りかねないのです。

この様に出来る理由を外に求めることは、一つの解決策になる訳です。

では、内側に求めることはできないのでしょうか?
恐らく、外に求めるよりも難しいのでは?というのが、私なりの結論です。いや、だからこそ「出来ない」が正当化できてしまっているのではないでしょうか?
これも聞いた話で恐縮ですが、ある会社の若手マネージャーさんが「英語ができないことがビジネスの障害になっている」と思い、直接、人事部の教育担当、更には人事部長に掛け合って、社員教育の中に英語教育をねじ込もうとしたそうです。彼としては、解決策を内側に求めたい、ある意味、育成する時間的な余裕をみての直談判になったようです。当然、この動きは上司も知っての動きだったと言います。
ところが人事部の回答は無碍なもので「君の苦労や心配は理解した。が、英語が必要と言う状況は全社的に見ても稀。つまり、会社として英語教育の費用は負担できず、部門に持ち帰った上で部門予算で計上可能かを検討してもらいたい」との事でした。上司…更には部門長も、この回答には怒り心頭だったようですが、実際に経営レベルでの会話には持ち上げられず、彼の希望は頓挫してしまいます。
ここから、二つの問題…つながりを考えると一つの大きな問題を感じるのですね。
まず、資金還流という意味では、私が書いたような問題解決を外に求めるより、内側で完結する方が有利なのは自明の理です。また、育成期間という猶予を取れるのであれば、人・物・金の原則でも、希望者(対象者)の有無、教育機関の検討、予算と明確になるのです。ところが、金が出せない。その理由は「個別的要件だから」と言う、そうですね…「浅はか」と言っていい理由で終了です。

このような内なる壁が存在し、それがビジネスの障害になっている、あるいは、なる可能性が高いのであれば、外に解決策を求める必要があるのです。それもしないで「うちでは出来ない」というのは…、少々、甘いと思うのです。